カラー

情報のグルーピングや強調を表現するのに線や点よりも面の分割を使うフラットデザインでは、カラースキームがとても重要です。広い色面が多くなると、そのぶん視覚的な圧迫も強くなり、長時間見続けるユーザーインターフェースにおける配色計画には、スポットカラーとしての機能や視認性などと同時に目へのやさしさも求められます。面積の広い色面がぶつかり合って訴求力や視認性が落ちることのないように、基本は無彩色のトーンのなかに、スポットで効果的にカラーを組み合わせて使うようにします。

基本カラースウォッチ

ユーザーインターフェースで使用するカラーとして適切にバランスをチューニングした12色のカラーと8段階のグレーを用意しています。

blue #029df4 2, 157, 244
#d7effd
bluegreen #0aaace 10, 170, 206
#d8f1f7
green #11b7a8 17, 183, 168
#d9f3f1
greenyellow #65c15e 101, 193, 94
#e6f5e5
yellow #b9ca14 185, 202, 20
#f4f7d9
yelloworange #dcb823 220, 184, 35
#f9f4dc
orange #ffa531 255, 165, 49
#fff1de
orangered #fa7c49 250, 124, 73
#feeae2
red #f55361 245, 83, 97
#fde3e6
redpurple #bc5f9a 188, 95, 154
#f4e5ef
purple #826bd3 130, 107, 211
#ebe7f8
purpleblue #4284e4 66,132, 228
#e1ebfb
gray-darker #121618 18, 22, 24
gray-dark #2d383c 45, 56, 60
gray #45545b 69, 84, 91
gray-light #657a84 101, 122, 132
gray-lighter #98a9b0 152, 169, 176
gray-subtle #d0d6da 210, 217, 220
gray-subtler #e4e9ea 228, 231, 235
gray-subtlest #f2f3f5 242, 243, 245

システム機能色

基本カラースウォッチのなかのいくつかの色は、特定の状態や役割の伝達と結びついています。正常や成功、注意、異常や失敗・警告などにフィットする色は慣例的にある程度決まっています。慣例に基づいた共通認識に合わせた色を用いることで、意識せずに意味を理解しスムーズに使うことができます。

Primary
blue

メインカラー、キーカラーとして用いられる色です。ABUIの標準ではblueを使用します。リンク、現在地表示や選択済みなどアクティブな箇所、主要アクションのボタンの色として共通して割り当てられています。

Default
gray-dark
gray-light

システム機能色で着色が可能なもの(ボタンツールチップ通知など)において、特定の状態や意味を持たせないニュートラルなものに用いる色です。

Success
bluegreen

何かの処理が正常に実行されたことをフィードバックする場合や、進行状況が順調な場合、表示しているデータが正常な値やポジティブな値であることを示す時などに使用します。

ツールチップ
Success
進行中
Info
greenyellow

何らかの処理の実行結果をフィードバックする際に追加的な情報を表示する場合や、表示しているデータのステータスがSuccessとWarningの中間である場合などに使用します。

Info
受領済
Warning
yelloworange

何かの処理がエラーではないものの注意を促す場合や、表示しているデータが注意を要する値であることを示す時などに使用します。

Warning
返答待ち
Danger
red

何かの処理がエラーを起こしており解決のためにアクションが必要な場合や、進行状況に問題がある場合、表示しているデータが異常な値やネガティブな値であることを示す時などに使用します。赤は危険を連想する警告色として広く認識が共有されている色です(人間にとって血の色だからです)。視覚的な刺激が強い色でもあり、使用面積・頻度ともやたらに多用せず必要なところに必要な分だけ活用します。

Danger
停止中

コントラスト

テキストと背景色のコントラスト

ABUIのカラースキームではピュアブラック(#000000)は使用しません。

かみなりにうたれたみたいに、ぼくはとびおきた。
目をごしごしこすって、ぱっちりあけた。
すると、へんてこりんなおとこの子がひとり、おもいつめたようすで、ぼくのことをじっと見ていた。

gray-dark #2d383c

かみなりにうたれたみたいに、ぼくはとびおきた。
目をごしごしこすって、ぱっちりあけた。
すると、へんてこりんなおとこの子がひとり、おもいつめたようすで、ぼくのことをじっと見ていた。

pure black #000000

背景とテキストが明度100%である白と明度0%であるピュアブラックの組み合わせは、明度のコントラストが非常に高い状態であり、光量の不均衡に順応しようとする結果、目が酷使されてしまいます。

毎日のように繰り返し長時間向き合い見つめることの多い業務システムではなおさら、黒を調整することで目の疲れや痛みを減らしシステムと接している時間を心地よいものにすることが有効です。

コントラストのアクセシビリティチェック

コントラストを弱めることで眼精疲労を減らすことができますが、一方で色のコントラストは可読性に影響するものでもあります。弱すぎずかといって強すぎないバランスが重要です。

ABUI標準のテキストのカラーは様々なバランスを考慮して適切なものがあらかじめ設定されています。一般に、背景色と文字色のコントラスト比は4.5以上が適切(W3CのWCAG 2 AAの基準)と言われています。コントラスト比はColour Contrast Checkのようなツールで調べることができます。

〈使いかた〉
Foreground Colourに文字色
Background Colourに背景色を入れます
いちばん右の「Results」のなかの「Contrast Ratio」の数字が4.5以上なら「WWCAG 2 AA Compliant」が「Yes」となり基準を満たしていることがわかります。

このような基準を利用することで、「文字が見にくいのでコントラストを上げるべきでは?」といった主観ベースの感想や指摘にも、上記を材料に「4.5以上で基準を満たしてますのでご安心ください」と説得力をもって対処することができます。このW3C勧告においても見出しなどの大きな文字や、ロゴタイプ、disabledなどアクティブでない状態、ロゴタイプなどについては対象外です。ただ、こうした外部機関の基準はあくまで基準です。ただ盲目的に従ったり振り回されたりするのではなく、あるべきUIのデザインのためにうまく利用しながら付き合いましょう。