人間がいちどに認識し処理できる情報量には限界があります。無駄な情報に埋もれてしまえば、視界の中で必要な情報を探し拾うのが難しくなります。また画面の遷移にはコストがかかります。ユーザーの負担を減らすため、移動距離は常に短くしましょう。その時点でのユーザーの目的に必要がない情報は無くし、全体の量を減らして画面をシンプルに保ちます。反応的な追加表示を用いてユーザーが必要とするタイミングで情報を提示するとともに、情報の優先度や利用頻度、関連性に応じて情報をグループにまとめて、必要に合わせて切り替えて表示するのも有効です。
タブ
タブは、対象となるコンテンツが下記のような条件に当てはまる場合に適しています。
前述のようにタブの数は5個程度が望ましいですが、どうしても数が多めになってしまう場合や、表示領域の幅次第では横並びで1行に収まらないケースもあるかもしれません。そのような場合、まずはタブにする情報の選別や、タブで分ける情報グループのまとまりを見直して、タブの数を減らせないか検討してください。利用頻度や重要度が低い情報群については必ずしも並列なタブの扱いではなく、それよりは一段下げた扱いで別の場所にまとめても良いかもしれません。
そのうえで、次のような方法が検討できます。
最大幅を問わないため、スクリーン幅の狭いスマートフォンの場合にも有効です。
JavascriptプラグインのSwiperを併用します。
幅の狭いスマートフォンではあまり適さない方法です。スマートフォンでは上記のタブをスクロールにする方法が適しています。
タブを多段にするのはやめましょう。タブはもともと紙のファイリングにおける共通認識を利用したUIです。こうした現実世界のメタファーであるUIに、その元になっているものが物理的に不可能な状態を盛り込んでしまうと、無意識的にもユーザーの概念モデルに違和感が生じ、自然で直感的な操作を阻害するとともにストレスを与えることになってしまいます。ディスプレイの上ではなんだってできてしまいますが、ユーザーである人間が自然界に対して身体感覚的・経験的に持っている物理的な理解に逆らずうまく利用することで、スムーズに使うことのできるUIとなります。
長いフォームをタブに分けた場合、[保存]などボタンのアクションの対象が現在アクティブなタブのみなのか、表示されていないタブを含めた全てなのか、きちんとわかるようにしましょう。タブで表示が切り替わる各領域の中に置けばそのボタンのアクションの対象はそのタブの中だけであるとユーザーに伝えることができますし、タブの切り替え動作の影響を受けない位置に、全体にかかることが明確になるような区切りを設けて配置すれば、全タブの内容が対象であると、ユーザーは自然に理解することができます。
アコーディオン
アコーディオンは、対象となるコンテンツが下記のような条件に当てはまる場合に適しています。
いっぽうで、アコーディオン開閉時でコンテンツの縦位置が変わってしまうため、スクロールせずに表示内容だけ並列に切り替えて見せたいような場合には不向きです。
太陽や月をはじめとした天文・宇宙全般や暦、国立天文台に関する質問に回答します
日の出や日の入りの時刻は、見る場所や日によって違います。また、山の上などで見るのであれば、その場所の標高も関係してきます。
日の出・日の入り時刻が場所によって違うことは、皆さんも感じたことがあるかもしれません。例えば、西日本に住んでいる人が東日本に行くと、夕方暗くなるのがずいぶん早いと感じることがあります。これは、実際に、東に行くほど日の出・日の入りが早いために、そう感じるのです。
もう少し詳しく言うと、経度で1度東に進むごとに、時間にして4分ずつ日の出・日の入りが早くなります。(ただし、緯度の違いによっても、日の出・日の入りの時刻は違ってきますので、経度の差だけで、正確な日の出・日の入り時刻の違いを計算することはできません。)
また、日の出・日の入りの時刻が日によって(季節によって)違うことは、皆さん日常的に実感されていると思います。夏至の頃は日の出が早くて日の入りが遅いため、昼の時間が長く、冬至の頃は日の出が遅くて日の入りが早いため、昼の時間が短いのです。夏と冬の昼の時間の長さの違いは、日本国内では北に行くほど顕著です。
同じ場所で考えると、ある日の日の出・日の入り時刻は、年によって大きく変わることはありません。ですから、ある年の日の出・日の入り時刻を知ることができれば、他の年でも、同じ日であれば、日の出・日の入り時刻はほとんど変わらないと考えることができます。
それから、標高と日の出・日の入りの関係ですが、高い山の頂上などでは、高さの分だけ地平線が下がって見えますので、日の出は早く、日の入りは遅くなります。
「太陽の上辺が地平線(または水平線)に一致する時刻」を、日の出・日の入りの時刻と定義しています。ですから、日の出で言えば、太陽が地平線から顔を出し始めた瞬間、日の入りで言えば、太陽が地平線に沈みきって見えなくなった瞬間です。
日の出・日の入りを実際に見たことがある人であればわかると思いますが、そのときの空は、少々薄暗くはありますが、屋外で明かりが必要なほど暗い状態ではありません。
日の出前や日の入り後の、空がうす明るい状態を「薄明」と呼びます。薄明は「市民薄明(常用薄明)」「天文薄明」などの段階に分けて考えることがあります。「市民薄明」は「灯火なしで屋外の活動ができる」目安とされ、日本では日の出前・日の入り後30分間程度です。また「天文薄明」は「空の明るさが星明かりより明るい」目安であり、日の出前・日の入り後1時間30分程度です。
日本よりもっと緯度が高い地域では、夏の薄明の時間は日本より長くなります。日の入り後の薄明が終わってすぐに、日の出前の薄明が始まってしまい、完全に暗くなるときがほとんどない状態が「白夜」です。
日の出・日の入り時刻を知るには、国立天文台「暦計算室」のウェブページをご覧ください。このウェブページから、日の出・日の入時刻を一覧で見たり、計算で求めたりすることのできるウェブページに移動することができます。日の出・日の入時刻は、都道府県名の横のカッコ内に書かれた都市での時刻ですが、同じ都道府県内であれば、数分程度の違いでそのまま利用できます。
また、国立天文台が編纂しています「理科年表」にも、東京であれば毎日の、それ以外の道府県であれば10日ごとの、日の出・日の入り時刻が掲載されています。参考にしてください。
それ以外の場所での日の出・日の入りの時刻を知りたい場合には、電話や手紙でご質問をいただくこともできます。時刻を計算するにあたっては、その場所にいちばん近い市区町村を指定してください。市区町村の役所・役場から見たときの、日の出・日の入り時刻をお伝えします。普通はそれで充分実用になるはずです。
しかし、どうしても特定の場所での時刻を知りたい場合には、知りたい場所の経度・緯度の値が必要になります。「○○浜」「△△岬」という言い方では、国立天文台でもその場所の経度・緯度がわかりません。事前に経度・緯度の値を調べていただくことをお願いします。
また、国立天文台からお伝えする日の出・日の入り時刻は、地平線や水平線まで見通せるとして計算しています。近くにある山や建物などは考慮していません。日の出・日の入りの定義については「どうなったときが「日の出」「日の入り」? もう真っ暗?」もあわせてご覧ください。
夏至の日は、1年のうちで昼間が一番長い日、また、冬至の日は、1年のうちで昼間が一番短い日ですね。
しかし、昼間が一番長い日に、日の出がもっとも早く、日の入がもっとも遅くなるわけではありません。同様に、昼間が一番短い日に、日の出がもっとも遅く、日の入がもっとも早くなるわけでもないのです。日本では、日の出がもっとも早い日は、夏至より1週間ほど早く、日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になります。冬至に関しても、日の出がもっとも遅い日は冬至の後、日の入がもっとも早い日は冬至の前になります。この現象は、日本中どこでもほぼ同様です。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?
昼間の長さは、太陽の高さで決まります。つまり、太陽が空の高いところを通過すれば、それだけ、空を横切る時間が長くなるわけです。太陽が空のもっとも高いところを通過するのは夏至の日です。逆に、冬至の日にもっとも低くなります。日の出・日の入の早さ・遅さもだいたいは昼間の長さで決まります。昼間が長いと、それだけ日の出は早く、日の入は遅くなりますね。しかし、夏至(冬至)の日をはさんで前後約1週間にわたっては、そうならずに、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。
日の出・日の入の早さ・遅さを決めている要因はもうひとつあり、それは太陽の動き方です。地球から見ると、太陽が空を動いているように見えますね。この動き方が年間を通して一定であれば、日の出・日の入りの早さ・遅さは昼間の長さだけで決まります。しかし、実際には、太陽は季節によって動く速度が違うのです(もちろん、この違いは目で見て確認できるほど大きくはありません)。これは、以下の理由によるものです。
ここで、太陽の南中する時刻(太陽が真南を通過する時刻)について考えてみましょう。南中時刻は、ちょうどお昼の12時ではなく、年間を通して変動があります。これも、上記2つの理由によるものです。夏至と冬至の頃は、南中時刻がどんどん遅くなっている時期にあたります。南中時刻は日の出から日の入までのほぼ中間にあたりますので、単純に考えて、南中時刻が遅いほうにずれれば、そのぶん日の出、日の入も遅いほうへとずれていきますね。ちょうど、夏至、冬至の前後は、この効果が大きくあらわれるため、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。
そのため、日本では、日の出がもっとも早い日は、夏至より1週間ほど早く、日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になります。また、日の出がもっとも遅い日は冬至の半月ほど後、日の入がもっとも早い日は冬至の半月ほど前になります。
月や太陽が大きく見えるという経験はよくありますよね。そのときの月や太陽は、地平線(水平線)近くにあるときが多いのではないかと思います。
しかし、本当に大きさが変わっているわけではありません。月や太陽は、空のどこにあっても、いつもほぼ同じ大きさです。
試しに五円玉の穴を使って、大きさ比べをしてみてください。五円玉を手にもって腕をいっぱいに伸ばし、穴から月を覗くようにして見ると、月がどの高さにある時でも、ちょうど穴の大きさにすっぽりおさまるぐらいに見えると思います。
※太陽の場合も空のどこにあっても大きさは変わりませんが、太陽を直接見るのは危険ですから実験はしないでください。
月や太陽が地平線(水平線)近くにある時に大きく見えるのは、目の錯覚によるものといわれています。ただ、なぜこのような錯覚が起こるのかについて、まだはっきりとした説明はついていません。月の近くに建物や山などの景色が見えて、それと比較できるときとそうでないときで、大きさの感じ方が違うのではないか、という人もいます。
ときどき、月の色が、赤やオレンジ色に見えることがあります。
月が赤っぽく見えるのは、大気の影響による現象で、朝日や夕日が赤く見えるのと同じ理由です。月の出、もしくは月の入りのときのように、月が地平線(水平線)に近いときに、赤っぽく見えやすくなります。
普段、私達が目にする光の中には、虹の七色で表現されるように、青い光から赤い光までいろいろな色が混ざっていて、全体としては白っぽい光となっています。月からくる光も最初は白っぽい光です。しかし、月の光が私達の目に届くまでには、光が地球の大気の中を通過しなければなりません。
青い光は赤い光に比べて、地球の大気の中を進む途中で大気の分子にぶつかって、あちこちに散乱されやすい性質があります。このため、大気の中を長く通過すればするほど、青い光は私達の目に届きにくくなります。一方、赤い光は大気の中を通過しても、散乱されにくいので、私達の目まで届くことができます。
さて、丸い地球をとりまく大気の厚さは、どこでもほぼ同じですが、地上から見ると、見る方向によって、厚さが違います。頭の真上の方向がいちばん薄く、水平方向に近くなればなるほど厚くなっていきます。
地平線(水平線)近くに月があるときは、月からの光が、厚い大気の中を通過することになります。すると、青い光は届きにくく、赤い光だけが私達の目に届きます。そのため、月が赤っぽく見えるのです。
どんな形の月でも(月だけでなく実は星も!)、地平線近くにあるときには赤っぽく見えますので、一度よくご覧になってみてはいかがでしょうか。
「月齢」は、月の満ち欠けの状態を知るための目安になる数字で、新月から何日経過したかを表しています。新月を0として、翌日が1、翌々日が2、・・・と、1日に1ずつ数を増やしていきます。月齢の数値を見ることによって、月齢が7前後であれば上弦、15前後であれば満月、22前後であれば下弦、30に近い数字であれば次の新月が近い、ということを知ることができます。月の動きは複雑なため、厳密にいうと、月齢と満ち欠けの状態が完全には一致しないのですが、かなりよい目安になります。
それでは、小数はなにを意味しているのでしょうか。
実は、「新月」というのは太陽と月が同じ方向になった「瞬間」のことをいいます。例えば「9月の新月は17日の19時27分である」という言い方をします。それから何日経過したかが月齢の数値になりますので、この例でいうと、9月18日19時27分の月齢が「1」、9月19日19時27分の月齢が「2」、・・・と数えることになります。
一方、ある日の月齢を表すときに、普通は「正午月齢」といって、その日の正午の月齢で代表させます。しかし、月齢を数え始めるのは新月の瞬間からですので、正午における月齢を計算しようとすると、24時間未満の端数が出てきてしまいます。1日を1としてその端数を表現するために、月齢の値に小数をつけるのです。
先ほどの例で、9月18日の正午月齢がいくつになるのかを計算してみましょう。新月の瞬間である9月17日19時27分から9月18日の正午(12時0分)までは16時間33分が経過しています。24時間を1とすると、16時間33分は
16時間33分 ÷ 24時間 = 0.689…
と計算されますので、小数第二位以下を四捨五入して、9月18日の正午月齢は0.7ということになります。以降、19日の正午月齢は1.7、20日は2.7・・・と1ずつ増えていきます。
国立天文台がインターネットで公開している情報の中に、毎年の「暦要項(れきようこう)」があります。暦要項の中の「朔弦望」という項目を開くと、1年間の新月(朔)・上弦・満月(望)・下弦の日付と時刻を知ることができます。
また、国立天文台が編纂している「理科年表」の中にも、同様の情報が掲載されています。
一度新月や満月の日付がわかってしまえば、次の新月や満月の、おおよその日を計算することができます。新月から新月まで、あるいは、満月から満月までは平均約29.5日の間隔ですので、前回の新月の日付に29.5日を加えれば次の新月の日の日付が、満月の日付に29.5日を加えれば次の満月の日付が計算できます。ただ、満ち欠けの周期は、毎回正確に29.5日ではありませんので、あくまで概算だということには注意してください。
例えば、11月15日が新月だとすると、15 + 29.5 - 30 = 14.5ですので、翌月12月の新月は14日か15日ぐらいだと計算できます。(30を引くのは、11月が30日までの月だからです。)
新月から満月、満月から新月は29.5日の半分の約15日間、新月から上弦、上弦から満月、満月から下弦、下弦から新月は29.5日の1/4の約7日間で変化します。このような計算をすることによって、ある日の月の形がわかれば、しばらくは将来の月の形が予想できるというわけです。
29.5日という日数は、ひと月の日数に近いですので、数ヶ月間という短い期間であれば、毎月同じ日には同じような形の月が見えている、と言うこともできます。
理科年表や新聞の月の出・月の入りの欄を見ていると、ときどき時刻の書かれていない日があることに気がつきます。この日の月はいったいどうなってしまっているのでしょう。
月は星空の間を移動する速さが他の天体に比べて早いために、月の出や月の入りの時刻は毎日大きく変化します。平均すると、月の出の時刻も月の入りの時刻も、1日に約50分ずつ遅くなっていきます。
月の動きは複雑ですので、毎日正確に50分ずつ遅くなるわけではありません。30分だけ遅くなることも、1時間10分も遅くなることもあります。しかしここでは、話を簡単にするために、月の出・月の入りの時刻が毎日正確に50分ずつ遅くなると仮定して、具体的な計算をしてみます。
例えば、今日の23時30分に月の出があると仮定します。すると、明日の月の出はそれから50分遅れますので、23時30分に50分を加えて、24時20分に月の出があるということになります。しかし、24時20分というのは、実はもう「明日」ではなく「明後日」になってしまっているのです。今日の次に月が出るのが、明後日の0時20分であるということは、明日は月の出がなく、明日の月の出の欄には時刻が書かれないということです。
月の入りの欄にも時刻が書かれていない日がありますが、これも同じ理由です。
天の川が見えるような空が暗い場所で一晩中空を眺めていれば、たいてい何個かの流れ星を見ることができます。
しかし、1年のうちで何回か、流れ星が普段より多く見られる時期があります。「流星群」が活動している期間です。流星群は、主なものだけでも10以上あり、ほとんどの流星群が毎年活動しています。
毎年活動する主な流星群の名前や活動期間を表1に示しましたのでご覧ください。
「極大」のころに流れ星が多く出現しますが、「出現期間」内であれば、流星群に関連する流れ星を見られる可能性があります。
流星群名 | 出現期間 | 極大 | 出現数 |
---|---|---|---|
しぶんぎ座流星群 | 12月28日 -1月12日 | 1月4日頃 | 多 |
4月こと座流星群 | 4月16日 - 4月25日 | 4月22日頃 | 中 |
みずがめ座η(エータ)流星群 | 4月19日 - 5月28日 | 5月6日頃 | 多 |
みずがめ座δ(デルタ)南流星群 | 7月12日 - 8月23日 | 7月30日頃 | 中 |
ペルセウス座流星群 | 7月17日 - 8月24日 | 8月13日頃 | 多 |
おうし座南流星群 | 9月10日 - 11月20日 | 10月10日頃 | 少 |
オリオン座流星群 | 10月2日 - 11月7日 | 10月21日頃 | 中 |
おうし座北流星群 | 10月20日 - 12月10日 | 11月12日頃 | 少 |
ふたご座流星群 | 12月4日 - 12月17日 | 12月14日頃 | 多 |
(理科年表より一部変更して掲載)
これ以外に、何年かの周期で活発に活動する流星群もあります。表2をご覧ください。
流星群名 | 出現期間 | 極大 | 次回出現時期 | 出現周期 |
---|---|---|---|---|
10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群) | 10月6日 - 10月10日 | 10月8日頃 | 2024年 | 13年 |
しし座流星群 | 11月6日 - 11月30日 | 11月18日頃 | 2034 - 2037年 | 約33年 |
(理科年表より一部変更して掲載)
このような流星群では、活動が活発な年とその前後数年間は、その他の年と比べて、流れ星の出現がとても多くなります。
流星群に関連する流れ星以外にも、流れ星を見ることがあります。そのような流れ星を「散在流星」と呼んでいます。
星座の解説書などを見ても、惑星がどの星座に見えるのかについては書かれていません。これは、惑星が、星座を形作る星々(「恒星」と呼びます)の間を移動しているために、あるときは「かに座」にあったり、別のときには「さそり座」にあったりと、ひとつの星座・ひとつの位置にとどまっていないためです。
それでは、どうすれば、惑星がどこに見えるのかを知ることができるのでしょうか。いくつかの方法があります。
国立天文台が提供しているウェブサイトの中の「ほしぞら情報」では、近々見ることができる天文現象を紹介していますが、惑星についても主だった現象や情報を掲載しています。また、「ほしぞら情報」では、その月の午後8時頃の星空と、星空の中にある惑星の位置を知ることができます。
他に、月刊の天文誌が何誌かありますが、その中にも惑星の見え方についての情報が詳しく掲載されています。 最近では、パソコン上で動く、天文現象のシミュレーションソフトが市販されていますので、そのようなものを利用されるのもよいかもしれません。
太陽系の8つの惑星の公転方向が一致していること、そして、惑星の軌道がほぼ同一の平面内にあることは、太陽系のでき方に密接に関係すると考えられています。
まず、太陽系がどのようにしてできたのかを簡単に説明します。宇宙にあったガスやちりの集まりである暗黒星雲の濃くなった部分が、自分の重力で縮み始めます。縮むにしたがって、ガスやちりの密度はだんだん高くなっていきます。密度が低いうちはバラバラな方向に運動していたガスやちりですが、密度が高くなると、お互いがぶつかり始め、反対方向の運動はうち消されるようになります。反対方向の運動がうち消されて平均化された結果、物質どうしはお互いにそれ以上ぶつからないように、1つの平面上を、ほとんど円軌道で、同じ方向に回転するようになりました。中心に集まった物質は太陽へと成長し、周りを回転している物質は、集まって惑星などになりました。その後、太陽が輝きだしたために、集まって惑星などに成長することができなかったガスやちりは太陽系の外に吹き飛ばされてしまい、現在のような太陽系の姿になったと考えられています。
火星と木星の間に大きな1つの惑星がなぜできなかったのか。これは多くの研究者が興味を持っていることで、様々な研究がされています。しかし、はっきりとした原因はまだわかっていません。
まず、太陽系の惑星の形成について簡単に説明しましょう。今からおよそ46億年前、太陽の周囲を回る、とても小さな天体「微惑星」が大量に形成されたと考えられています。その後、それぞれの距離のところで微惑星同士が衝突し始めます。大部分の微惑星は皆同じような向きで、円軌道を回っているので激しい衝突にはならず、衝突によってこわされることなくお互いにくっついていきます。それらが大きく成長して惑星となりました。
ところが、現在の小惑星帯と言われるところでは、セレス(ケレス)のようにある程度大きく成長したものもありましたが、最初に形成された微惑星の数が十分に多くなかったために、微惑星の成長がゆっくりだったと考えられています。そのうちに、小惑星帯の外側で、先に成長して巨大になった木星が、その強力な重力で、微惑星の軌道に大きな影響を与えるようになりました。そのために、微惑星はお互いに激しく衝突し、破壊されて、多数の小惑星ができたと考えられています。小惑星が、いびつな形をしていたり、無数のクレータが表面に見られるのは、激しい衝突の名残りなのかもしれません。
小惑星だけでなく、惑星の形成に関してはまだまだ未知の部分がたくさんあります。
地球は、北極と南極を結ぶ軸のまわりを1日に1回転しています。この回転のことを「自転」といいます。地球が自転しているために、地球上には昼と夜が交互に訪れるのです。
それでは、地球はなぜ回り続けているのでしょうか。なぜ、だんだん回る速さが遅くなって、そのうちに止まってしまわないのでしょうか。
身近な「コマ」を例にとって考えてみましょう。コマを手にとって机の上で回すと、最初は勢いよく回っていますが、だんだんと回転の速さが遅くなってきて、ついには止まって倒れてしまいます。コマの勢いがだんだん弱くなってしまったのは、コマの軸と机の間に摩擦力が働いたからです。摩擦力はコマの回転を止める方向に働き、そのためにコマの回転が徐々に遅くなってしまったのです。
それでは、地球の場合はどうでしょうか。地球もコマと同じように回転をしていますが、机の上に乗っているわけではなく、他の物体とは接触することなく回っています。コマの場合には机とコマの間に摩擦が働きますが、地球の場合には摩擦が働く部分がありませんので、回転の勢いが弱まることなくずっと回り続けているのです。
よく「なにかの力が働き続けているから、地球が回り続けている」と考える方がいらっしゃいますが、そうではありません。回転運動も含めてすべての運動は、それを妨げる力が働かない限り、同じ運動状態がずっと続きます。(これを「慣性の法則」と言います。)回転を止める方向に力が働いていないために、回転の勢いがずっと維持されて、地球はいつまでも回り続けているのです。
もちろん、地球に外からの力がまったく働いていないわけではありません。太陽や月や、他の惑星などの力は働いています。しかしどの力も、地球の回転を止める方向の力ではないために、自転の速さはほとんど変化しないのです。
日の入り後・日の出前の数時間、注意して空を眺めていると、星々の間をゆっくり移動していく小さな点を見ることがあります。またときには薄明の空に、明るい光が移動していくのを見ることがあります。このようなもののうちのいくつかは人工衛星です。
地球のまわりにはたくさんの人工衛星が回っていますが、すべての人工衛星が肉眼で見えるわけではありません。しかし、天の川が見えるような空の暗い場所でずっと空を眺めていると、1日に何個かは人工衛星を見つけることができるはずです。
人工衛星は自分で光を発しているわけではありません。しかし、日の入り後・日の出前の何時間か、地上には太陽の光が届かなくなっても、上空にはまだ太陽の光が届いている時間があります。そのようなときには、人工衛星が反射した太陽の光の一部が地上に届き、地上にいる私達からは人工衛星が光って見えるのです。真夜中になると、上空にも太陽の光が届きづらくなりますので、人工衛星が見える機会は少なくなります。
人工衛星と流れ星を間違う人も多くいるようです。人工衛星には、流れ星と違って次のような特徴があります。
まず、測定方法の大まかな説明をしましょう。
具体的には、以下の方法によって距離を推定することができます。
1. 近くの星までの距離であれば、三角測量の原理を使って測定することができます。
「三角測量」というのは、例えば、渡ることのできない川の向こうにある建物(Aとします)までの距離を、こちら側から測定する方法です。川のこちら側の離れた2点(B、Cとします)から建物の方向を測定すると、角CBAと角BCAの角度がわかりますね。また、BC間の距離はわかるので、建物と測定地点2点の合計3点で三角形の図を描くことができます。正確な縮尺で図を描けば、例えば、図上のAB間の長さと縮尺から、実際のAB間の距離を求めることができます。
太陽系から比較的近い(100光年程度まで)星の場合、三角測量の原理を使って距離を測定することができます。この場合、「川のこちら側の離れた2点」は、夏と冬の地球です。地球は、半径約1億5000万キロメートルの軌道を公転しているので、例えば夏と冬に測定をおこなえば、最大3億キロメートル離れた場所から星の方向を測定することができます。実際に測定するのは「年周視差」とよばれる角度で、これが測定できれば、その星までの距離がわかります。年周視差が小さいほどその恒星が遠くにあることがわかります。
2. 銀河系の中のもっと遠いところにある星までの距離は、星の本当の明るさと色の関係を使って推定します。例えば、太陽と同じような色で、太陽よりずっと遠くにあるために見かけが暗い星があるとします。色が同じ星は、星の本当の明るさも同じだとすると、この星も、本当は太陽と同じ明るさだということが分かります。つまり、星の見かけの明るさから、どれだけ遠くにあるのかを推定するのです。
具体的には、「HR図」を用いて距離を推定することができます。HR図というのは、横軸に星の表面温度(色)、縦軸に絶対等級をとったものです。絶対等級というのは、星を32.6光年(光が32.6年間で進むことのできる距離。1光年=約9兆キロメートル)の距離に置いたとしたときの等級に換算したものです。例えば、その星が主系列星(※)の場合、表面温度が分かっている星であれば、HR図から絶対等級を推定することができます。また、観測からは星の見かけの等級が分かります。例えば、太陽の見かけの等級はマイナス27等級ですが、明るさは距離の2乗に反比例するので、32.6光年離れた場所に置いたと仮定すると5等級となり、夜空ではあまり目立たない暗い星となります。
つまり、
以上の2つの関係を使うことによって、距離を推定することができます。
※1主系列星とは、星は星間ガスから生まれ、主系列星として星の一生の大部分のときを過ごします。星全体のおよそ9割以上を占めるのが主系列星ですが、主系列星はその表面温度(色)と明るさの間に一定の関係があります。この関係を図に表したものがHR図(Hertzsprung-Russell diagram)といいます。
3. 銀河系の外にある他の銀河などの距離を推定するのには、「脈動変光星」という星を使います。脈動変光星は、規則正しく膨らんだり縮んだりしながら明るさを変えている星で、周期が長いものほど明るく、短いものほど暗いという関係があります。変光の周期は観測からすぐにわかりますので、周期と明るさの関係から、その星の絶対等級が分かります。すると上記と同様に、絶対等級と地球からの見かけの明るさの違いから、距離を推定できます。球状星団や銀河の中の脈動変光星を観測すれば、その変光星が属している星団や銀河の距離がわかります。
4. ある種の星は、その一生の最期に大爆発を起こします。その現象は非常に明るい星がとつぜん出現したように見えるので、「超新星」と呼ばれています。超新星は銀河1個並みの明るさで輝きますので、遠方にある銀河の距離を推定する方法に使われています。
超新星にはいろいろな特徴をもったものがありますが、Ia型と呼ばれる超新星は最も明るくなった時の絶対等級がだいたい同じであるということが観測で分かっています。また、だんだんに暗くなっていく際の光度変化も分かっています。したがって、Ia型超新星爆発の見かけの明るさや光度変化を観測すれば、絶対等級との関係から距離が分かります。つまり、見かけの明るさが暗いほど遠くにある、というわけです。そして、その超新星があらわれた銀河の距離がわかるのです。
5. もっと遠い、何十億光年以上離れた天体、例えば遠い銀河までの距離を知るには、その銀河が遠ざかる速度を使います。私達の地球から見ると、宇宙が膨張しているために、遠くにある銀河ほどより速い速度で遠ざかっていることが観測から分かっています。つまり、銀河が遠ざかる速度が分かれば、その速度から距離を推定することができる、というわけです。「遠ざかっている物体から出る光の波長は長い方にずれる」という性質を使って、銀河のスペクトル線の波長のずれを観測することで速度を知ることができます。波長のずれが大きいほど速度が速いことになり、それだけ遠くにあることがわかります。
「宇宙の果てに近い、たいへん遠い天体が見つかった」というようなニュースを目にすることがあります。「宇宙の果て」という言葉から考えて、「そこまでいくと、そこから先には宇宙がなくなってしまうような境目」と思ってしまうかもしれません。しかし、そうではありません。
まず、遠くを見るとはどういうことなのかを考えてみましょう。 ある天体が地球にいる私達に見えるということは、その天体が発した光が地球に届いたということです。光の速さは秒速約30万キロメートルととても速いのですが、多くの天体はとても遠くにありますので、光は何年もかかって私達のところまで届きます。たとえば、1万光年離れた天体を考えると、1万年前に天体を出た光が、1万年の間宇宙空間を飛び続けて、今やっと地球に届いたのです。つまり、今私達が見ている天体の姿は、その天体の1万年前の姿だというわけです。
私達のこの宇宙は、137億年前に誕生したと考えられています。するともし、120億光年彼方に見える天体(「天体A」としましょう)を観測したとすると、それは120億年前にその天体を出た光を今受け取ったということになり、宇宙が誕生してからわずか17億年しか経過していない、宇宙の初期の頃の天体の姿を見ていることになります。
それよりさらに遠くを見ようとするとどうなるでしょう。宇宙が誕生したのが137億年前ですので、137億光年より遠いところを見ようとしても、そこには天体はおろか宇宙そのものがなかったのですから、なにも見えるはずがありません。そのような意味では、どの方向を見ても、137億光年の距離が「宇宙の果て」だといえます。
ではもし、天体Aに人間のような宇宙人が住んでいたとしたらどうなるでしょう。その宇宙人が、誕生から137億年経過した宇宙を観測すると、地球で観測したのと同じように、どの方向を見ても137億光年先までを見ることができるだろうと考えられています。「天体Aから、地球とは反対の方向を見たときに、17億光年より先には何も見ることができない」ということはありません。(ただし、そこからの光はまだ地球には届いていませんので、私たちは、その先も本当に、私たちが見ているのと同じような宇宙がずっと続いているのかどうかは、確認することができません。)
さらに詳しく知りたい方は、「宇宙図」のページをご覧ください。
クレジット:国立天文台 National Astronomical Observatory of Japan
スイッチャー
タブが異なる構成の情報グループを並列に切り替える表示を提供するのに対して、スイッチャーは同じ構成で内容や値の集計基準が異なるものを切り替えるような場合に適しています。
営業利益率 | 営業利益額 | ||
---|---|---|---|
1 | 三軒茶屋駅前店 | 12.8% | 123,456,789 |
2 | 鵠沼海岸店新店 | 13.1% | 112,345,678 |
3 | 清澄白川店 | 12.2% | 98,765,432 |
営業利益率 | 営業利益額 | ||
---|---|---|---|
1 | 三軒茶屋駅前店 | 12.8% | 123,456,789 |
2 | 清澄白川店 | 12.2% | 98,765,432 |
3 | 中目黒店 | 11.9% | 87,654,321 |
.btn-group
に.btn-switcher
をつけ、対象を指定するidを振ります。
<div class="btn-group btn-switcher js-switcher"> <button type="button" class="btn btn-inverse active" id="switcher-a">swithcer A</button> <button type="button" class="btn btn-inverse" id="switcher-b">swithcer B</button> </div> <div class="js-switcher__tgt switcher-a"> ... A </div> <div class="js-switcher__tgt switcher-b displaynone"> ... B </div>
$('.js-switcher').find('.btn').on('click', function() { const tgt = '.' + $(this).attr('id'); $(this).siblings().removeClass('active'); $(this).addClass('active'); $('.js-switcher__tgt').hide(); $(tgt).fadeIn('fast'); });